ゲーム部プロジェクト、キズナアイ騒動から見るVtuberの定義
最近自分の周りの人達がどんどんVの沼に沈むのを見て静かに頷いているnonです。
さて今回はVtuberの定義について個人的な意見を書いていこうと思っています。
自分は1年近くVtuberを追ってきました。
今回これを書こうと思った理由は題名にもありますが最近Vtuberとは何かと考えさせられる騒動があったことです。
騒動を見て自分が考えているVtuberとは何なのか、定義は一体何なのか
そして自分がVtuberに求めているものはなんなのかという事を言語化したくなりました。
・Vtuberの定義とは
・ゲーム部プロジェクトとキズナアイ騒動
・Vtuber魂依存問題
・最後に
ーーーVtuberの定義とはーーー
では、さっそくVtuberの定義とは何ぞやということからですが、ずばり
そんなものはないです!
以上! 終了です!
ここまで読んでいただいてありがとうございました!
……嘘です、ごめんなさい
バカにしてるわけではないです。
なのでもう少し見ていってください。
おそらく今Vtuberを見ている人
はたまたVtuberの人達
その数だけの定義があると思っていますし、この問いに対して客観的で絶対的な定義を挙げれる人はいないと思います。
それはそれだけまだVtuberというものの歴史が浅いからです。
ただそんな中、漠然と自分の中にある定義を述べさせてもらうと
"二次でもあり、三次でもあるが、二次でも三次でもない"存在
がVtuberだと思っています。
自分はよくこの話題が来た時にVtuberとアニメ作品を対比に考えていました。
同じ二次元の存在で両者とも命が宿っている点では同じだが
アニメキャラはフィクション
Vtuberはノンフィクション
であると
例えば現実であったイベントの感想配信をするとしましょう。
アニメならばキャラクターの声優さんがラジオ等で感想を言う事でしょう。
決してキャラクターが言うわけではありません。
何故ならキャラクターはフィクションだからです。
対してVtuberはVtuber自身がそのまま感想を言うわけです。
つまりアニメキャラにはCVはつくが、VtuberにはCVはつかないわけです。
Vtuberは現実に実在するという認識でした。
ただこれは定義としてはかなり曖昧だと思っていましたし、強く言える意見でもないなと思っていました。
1つ確実に言えたのは「自分は〇〇っていうVtuberの中の人間だ」と公言している人がVtuberを名乗る事に酷く嫌悪感を感じる事くらいでした。
それはただキャラに声を当ててるだけだろ、と
そんな中、自分はVtuberとは何かがわからず
どこかそんな曖昧さによるモヤモヤを心の隅に抱えながらVtuberを追っていました。
そんな中とある騒動が起きました。
ーーーゲーム部プロジェクトとキズナアイ騒動ーーー
騒動紹介の前にまず両者の紹介を少しだけ
ゲーム部プロジェクト
チャンネル
ゲーム部プロジェクト 登録者36万人https://www.youtube.com/channel/UC2ZVDmnoZAOdLt7kI7Uaqog
都内の高校に通う
夢咲楓
道明寺晴翔
風見涼
桜樹みりあ
の4名が夢咲楓が立ち上げたゲーム部に所属しています。
主に動画内容は主にゲーム実況、日常?の動画を上げています
ゲーム実況
日常?
また各々に得意のゲームが存在し
夢咲楓...ポケモン(レート2000越え)
道明寺晴翔...スプラトゥーン(S +カンスト)、FPS関連
風見涼...スマブラ、ぷよぷよ(両方プロと戦えるレベル)
桜樹みりあ...ポケモン(レート1700)
と各々がかなり高いレベルのゲームの実力をもっているのも特徴の1つです。
2018年3月から活動を開始したいわゆるVtuber後発組にもかかわらず確固たる人気を築いています。
キズナアイ
チャンネル
AI.Channel 登録者267万人
https://www.youtube.com/channel/UC4YaOt1yT-ZeyB0OmxHgolA
AI.Games 登録者141万人
https://www.youtube.com/channel/UCbFwe3COkDrbNsbMyGNCsDg
自称 スーパーAI
自称 世界初のバーチャルYouTuberで
2016年より活動を開始した いわゆるVtuberの草分け的存在です
国内外問わずの人気で
1番有名なバーチャルYouTuberと誰?といえばキズナアイと言っても過言ではないと思います。
さて、まずはじめに今回は運営の労働環境がどうだのとか内部のゴタゴタの話等々はあまり触れる気はありません。
そこに関しては吉本興業の件と似たようなもので、ああいうのが消費者側へ表面化するとコンテンツとして楽しめなくなる、また誰も幸せにならないからやめて欲しいというなのが自分の意見です。
タイトルにも出したキズナアイ、ゲーム部プロジェクト。の騒動についてですが
説明の前に
先ほども述べたように自分はVtuberについて声優、いわゆる中の人という表現には嫌悪感があり。使いたくありません。
なので魂という表現を使います。
さて、その上で今回一体何の騒動だったのかを物凄く端的に言うと
キズナアイ騒動
キズナアイが分裂し、4人になり魂が増えた
ゲーム部プロジェクト。
ゲーム部の4名の内、桜樹みりあ、道明寺晴翔 2名の魂の変更(2019年9月迄に夢咲楓、風見涼2名も変更)
つまり両プロジェクト共に今まで活動してきた魂の変更を行ったということです。(両者とも公式事前のアナウンスは無し)
え?それだけ?と思う人もいるかもしれません。
しかし今回この変更に伴い、挙がった意見の多くにこんな意見があります。
"今まで応援してきたのは変更前の魂である"
"だから変更された魂は別人だから応援出来ない"
自分もまさにこの意見でした。
そして今回の論点はまさに、ここになります。
まず今回の騒動において
Vtuberは中の人ではなく魂であると理解、認識している人達が一定数、感度としては多数派である事がわかりました。
ある一定数いたが故に騒動になったわけだと思います。
これは魂であるという意見は自分も同意見です。
冒頭で述べたようにVtuberは決してアニメキャラではないわけで
キズナアイcv声優では決してないということです。
しかし今回の騒動はVtuberを二次元な存在、アニメキャラクターとして捉えれば
「あー中の人変わったのか」
「前の声優の方が良かったな」
とか
「今回の声優の声いいね!」
で済むわけです
ただ三次的にいわゆる存在する
人と同じと捉えた場合は
今までキズナアイ、桜樹みりあ、道明寺晴翔だと思ってたものに別な"何か"が入っているという
とても気持ち悪い存在が完成するわけです。
ここから考えられる事があります。
ーーーVtuber魂依存問題ーーー
今回の件でわかったのが、この数年でVtuberは魂依存のコンテンツとして根付いたということです。
その理由は簡単でコンテンツとして図らずか界隈全体が消費者達へそう見せたところが大半で
その状態でコンテンツとしての成長を遂げたからです。
しかしこれはVtuber界隈の規模が大きくなるにつれてとある弊害を生みました。
それは活動が個人に依存するが故の負担とリスクの増加
そして魂の公表、変更が一切出来ないという問題です。
キズナアイで言えば
動画投稿だけでなくTV番組出演、ライブなど活動の幅は活動初期に比べて凄まじいものとなっています
つまり1人だけでは活動に限界が来てしまうということです。
そしてそれだけ忙しいにも関わらず、魂での実績は実績にはならないということ
声優ならば人気作品に出れば知名度は上がりますが、Vtuberの魂に関してはそれはないこと。
そして魂がなくなればそのVtuberは死んでしまうということ
つまり今まで続けてきた魂依存のVtuberというモデルケースでの活動に色んな面での限界が生じたわけです。
今回の騒動はこれに対する運営の回答が騒動の1つの要因だと思っています。
この魂依存への回答という話だと
自分の好きなVtuberににじさんじというバーチャルライバーグループがいます。
にじさんじ
にじさんじでは界隈の中でも異常なスピードで新人のバーチャルライバーが入る事で有名です。
(にじさんじではVtuberではなくバーチャルライバーと呼ぶ)
その頻度は時に新人が入った数週間後に新たに新人が入るほどの早いペースで
今や約80人規模のバーチャルライバーグループになっています。
当初自分は運営に既存のライバーを大切にしろよと思っていました。
しかしこれはこの個人へ依存するモデルケースへの一つの回答だったんだなと思い、今は溜飲を下げています。
後、にじさんじからいわゆる引退者は現在数名出ています。
にじさんじにおいて引退は卒業という形を取り、Vtuberとして私たちの前から姿を消します。
つまり魂が消えれば、そのライバーは今後活動をしないということで
ここで魂の変更をしない運営の方針に自分は安心感を覚えています。
ただしかしこれが例えばキズナアイ、ゲーム部プロジェクトで起こった場合どうなる?という事です。
キズナアイの魂が仮にいなくなった場合、キズナアイというVtuberは完全に終わりになり、活動が出来なくなります。
魂には変わりがないからです。つまり死ぬわけです。
ゲーム部プロジェクトでも誰かが卒業してしまえばそれは今後の活動において大ダメージになる事は想像に固くないと思います。
この問題に対する回答がにじさんじで言えばライバーを増やすという回答だったところ
この両プロジェクトの回答が魂の変更だったのだと思います。
しかしそれは魂依存のVtuberを正と仮定する人達にとっては
決して許容出来るものではなかったということです。
もちろんこれが変更の理由の全てではないと思います。
特にゲーム部に関してはここに至るまでの流れを見るとそう感じます。
しかし、いずれは直面する問題であったと思います。
この騒動に関して
キズナアイ、ゲーム部プロジェクト各運営から声明を出されています。
キズナアイ
https://t.bilibili.com/h5/dynamic/detail/288203493953508049
ゲーム部プロジェクト
https://gameclubproject.jp/20190717info/
https://gameclubproject.jp/190827info/
※夢咲楓、風見涼について、運営から発表があったため追記(2019.8.29)
Vtuberとは何かの認識
定義は何かの回答がまさにここに詰まっていると思います。
声明を受けての個人的な感想を言うと
内容としてはほぼ似たような内容だと思います。
ただ
ゲーム部プロジェクト。は魂ありきの活動(ゲーム生配信、他Vtuberとのコラボ)をしていたにもかかわらず、
声優スタッフの変更、自分達が目指しているのはCTuberであるという言い訳にしか聞こえないアナウンスを騒動の真っ只中で運営から出してしまった事が騒動を大きくしたきっかけの1つだと思います。
前々からゲーム部プロジェクトは魂ではなく、声優スタッフと言う言い方をしてはいました。
ここについては別にどうこういうつもりはないですが
声優スタッフという認識ならば変更するより前に公式から変更のアナウンスをするべきでした。
加えて初めからこの方針を打ち出して、それに沿った活動をしていればもう少し騒動は小さいものになったのではと思います。
キズナアイに関してはVtuberという定義という点においては運営はまっすぐだと感じました。
まずボイスモデルという言い方をしたこと
言い方だけですが、ここの言い方は個人的には大きなものと思っています。
何故ならやろうと思えば今回の騒動においてキズナアイの"声優スタッフ"の変更というアナウンスは出来たわけです。
声優スタッフの変更でお騒がせして申し訳ありませんでした。と
ただ先ほども言ったようにそれをしてしまうとキズナアイは死んでしまうんです。
しかも声明を出す前にキズナアイは動画でキズナアイとして実は分裂出来た 分裂して作業してたと発信をしてきました
この"キズナアイとして"が大切だと思っています。
運営の意見をキャラに言わすなという意見も聞こえてはきますし、そこも理解はできるのですが
それでもキズナアイを個人として捉えるならばあれしか方法がなかったように思いますし、
それはキズナアイをキズナアイとして運営が認識している何よりの証拠では?と自分は感じました。
もちろんゲーム部の件を見て控えたという見方もありますが……
ーーー最後にーーー
正直今まで魂依存の見せ方をしているVtuberが大半だと思います。
自分自身もだからこそそんなVtuberが好きで今も追っているのがあります。
二次元の存在だが、三次的に確かにそこに存在しており、そんな存在と時間を共有し、コンテンツ的に未開の地を一緒に歩めることが出来ることに嬉しさを感じます。
しかしそんな中、今回の騒動でVtuberの"声優" "中の人"というのをありありと見せつけられた。
つまりVtuberは作られたアニメキャラクターであり、作品である、フィクションであると言われたことが残念だった人達が多くいた。
そして会社に方針に振り回されるVtuberを見るのが辛い
それ故の騒動だと思ってます
また今回の騒動では触れていない暗い話もたくさんあり、むしろそちらのほうが騒動の大きな要因で
このVtuberの定義については今回の騒動の要因の1つ程度かなとも思います。
最後に今回の騒動については誰も幸せにならないのがすごく悲しいと思いました。
ネット上で色んな意見を見てる中で
今回の騒動はVtuberを知らない人達も触れている話題だと感じました。
そしてそんな人達の意見は
「あっVtuberってそういう感じなんだ」
「Vtuberってコンテンツとして結局こんなもんでしょ」
という意見も見られましたし
普段Vtuberを追っている人達からは
「自分の思っているVtuber像と違うから」と叩いたりしている人も少なからず見られました。
正直Vtuberを知らない人達にこういうマイナスなイメージが広まるのは悲しかったです。
また自分が好きだったものが違うものに(ましてや運営の方針で)変わるのは悲しいですし、そこに拒否的、否定的な気持ちになるのもわかりますがそこはグッとこらえて欲しかったです。
自分も以前はゲーム部プロジェクト。が好きでしたが騒動以降見ることはなくなりました。
運営の対応に散々文句も垂れたりもしました。
ただ運営の定義には特に何も言わなかったです。
それは最初に言ったようにVtuberの定義は人それぞれだからです。
何をもって応援するか、何をもってVtuberをしていくか
そこを気にくわないからと批判をしたりする権利は誰にもないと思いますし、誰もその批判に明確な理由は持ってこれないと思います。
おそらく理由の最後には
"そんなのはVtuberじゃない"が来ると思いますから
それに
Vtuberはこうあるべき!
こうでなくてはならない!
と消費者側が決めつけてしまうと界隈全体が萎縮し、小さなものになっていき、その後新しいものが生まれることがなくなってしまうのは語るまでもないことだと思います。
移り変わりが激しくいつ終わるかもわからない
そしてまだ定義すらも定まっていないコンテンツであるVtuber
今回の騒動でVtuberって何?と考えた人も少なからずいるのではないかと思います。
この記事がVtuberとは何か考える、知るきっかけの1つとなれば嬉しいなと思います。